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もなかもなか

「ミステリー」って、読んでいておもしろいよね!「金田一耕助」が大好き!

ひなひな

古典的なミステリーが好きなんだね・・私は「有栖川有栖」の作品が好きかなぁ

ゆずゆず

じゃあ、「ミステリー」や「ミステリージャンル」について、一通りお話ししてみようよ

 私は本が好きでいろいろな本を読みますが、夜のお供はやっぱり「ミステリー」でしょうか?

小さいころ読んだ「江戸川乱歩」や「横溝正史」は怖かったですが、それと同時に読んでいてとてもおもしろく、やめられなかった記憶があります。

1980年代に入ってしばらく「ミステリー」からは離れていましたが、1980年代の終わりごろに読んだ「十角館の殺人」や「占星術殺人事件」などに、また引き込まれてしまいました。

今ではすっかり中毒と言えるかもしれません。

「ミステリー」はその歴史的過程の中で、ほかの文学作品の傾向や設定、あるいは世相の変遷などを吸収して、さまざまなバリエーションを生み出し、その類まれなる多様性から、いろいろな性格や立場の人がたのしめる、ふところの深いエンターテイメント文学に成長しています。

まさに「極上の娯楽」と言えるのではないでしょうか。

この記事では、「ミステリー」が好きだけれどそれ程詳しくは知らない方のために、最低限押さえておきたい「ミステリー」の歴史的流れと、その流れの中で生まれ出た、さまざまな「ミステリージャンル」についてお話ししていくことにしましょう。

この記事を読むことで、「ミステリー」とそのバリエーションの全体像を大雑把につかみ取ることができ、より効率よく「ミステリー」をたのしむことができるようになるかもしれません。

この記事を読んでほしい人

「ミステリー」についてある程度知っておきたい人

「ミステリー」にはどんな「ジャンル」があるのか気になる人

「推理小説」を読んでみたいと思ったり、映像作品を見たいと思った人

「ミステリー」についてあまり詳しく知らない人

「ミステリー」や「推理小説」が大好きな人

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ミステリーへのお誘い

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 欧米で生まれたミステリー(推理小説)は、日本に伝わり、独自の大発展を遂げます。

ちょうど中国で生まれたラーメンが、日本でオリジナルを凌駕する大発展を遂げたのと同じような感じです。

今や日本を代表する文学ジャンルのひとつと言えるのではないでしょうか。

ところで、一口にミステリー(推理小説)といっても、いろいろあるって知ってましたか?

ミステリーというスタイルがあらゆる分野と結びついて共存が可能なせいか、現代にいたるまで多彩なミステリー・ジャンルが展開されています。

ミステリー(推理小説)好きなら当然知っているかもしれませんが、ここでちょっと整理してみましょう。

新ジャンルが出てくる可能性も?

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 かつて「ミステリーは既に死んだ」と言われた時期もありました。

ミステリーは様式性が強かっただけに、書き手側だけでなく読み手側も行き詰まりを感じてしまったということだったのか、今では考えられないような灰色の時代を経験しています。

その意味では現代は書き手側も読み手側も成熟をして、ミステリーにとって幸せな時代になったと言えるかもしれません。

ミステリー・ジャンルもさまざまな分野と結びつき、昔では思いつきもしなかったスタイルで楽しむことができるようになりました。

これからも、まだまだ新しいミステリー・ジャンルが出てくるかもしれません。

ほんとにジャンルが多くて改めて驚きますが、それだけ愛されているんですね。

ミステリー(推理小説)は、その人の趣味嗜好に合ったいろいろな楽しみ方ができるのがいいところです。

明日は何冊か新しくミステリーを買ってみてはどうでしょう。

直木賞の歴代受賞作の娯楽性の変遷と世相との関連を楽しもう

■本格ミステリー

 「本格ミステリー(本格推理)」は、事件の真相に至る手掛かりを、小説中に全て示し、読者に対してフェアな形で作中の登場人物が真相を導き出す形式の小説。

ミステリー(推理小説)の中では、最も一般的で古典的なジャンルです。

「本格」は日本における呼称で、戦前は「本格」以外の形式の推理小説は、全て「変格」と呼ばれていました。

欧米ではそれらは、「フーダニット」「ハウダニット」「ホワイダニット」「パズラー」などと呼ばれます。

「本格」に求められるのは、「解決の論理性」「真相への手がかりが全て作品中で示されること」「地の文に虚偽を書かないこと」などで、それらすべての条件を満たしていなければならないとされています。

作者によっては「読者への挑戦状」と題し、そこまでで真相に必要な全ての手掛かりが出そろったことを告げ、真相に至る論理的な事件解決を明示的に挑戦することもあります。

密室殺人など、不可能犯罪を扱った作品も数多く、名作ぞろいのジャンル。

■新本格ミステリー

 「新本格ミステリー(新本格推理)」とは、本来は「新しい本格」という程度の意味であり、他の国でもそういう呼称は使われることがありますが、日本で使われる場合は特に、1980~90年代にデビューした若手作家のうち、綾辻行人や有栖川有栖、法月綸太郎、我孫子武丸などの作家たち、および、彼らの作品に対してそう呼ばれます。

「新本格ミステリー」は、古典的ミステリーのうち、特に「本格ミステリー」を模範として強く意識しながら、新しい時代的背景や社会的背景に合った作風にアップデートして、以後の日本におけるミステリーに多大な影響を与えました。

これらの作家・作品に対して「新本格」という言葉が初めて使われたのは、綾辻行人の第2作目の「水車館の殺人」(1988)の帯の言葉とされています。

そしてその後、島田荘司が「本格ミステリー宣言」(1989)で、本格ミステリーの系譜を擁護する評論を展開し、鮎川哲也などの本格の先輩作家たちも本格ミステリーの新人の発掘・育成に尽力した結果、大きなムーブメントとなり、現在に至ります。

■ハードボイルド

 事件に対して、登場人物が自ら行動を起こし立ち向かっていき、論理的で内面的な思索よりも、非情で妥協を許さない行動的・肉体的な方法により事件を解決する形式の小説。

レイモンド・チャンドラーやダシール・ハメット、ローバート・B・パーカーなどが代表的な作家と言われています。

私立探偵が主役であっても、非情さを前面に押し出さないタイプのものは「ソフトボイルド」と呼ばれます。

また、ハードボイルドの反対のミステリー・ジャンルとしては、「コージー・ミステリー」があり、これはハードボイルドが持つ暴力的表現や非日常性を極力排除したもので、アガサ・クリスティの「ミス・マープル」シリーズなどが代表作。

■社会派ミステリー

 時代が持つ社会的背景やリアリティを重視し、それらの矛盾や問題が生み出したともいえる、社会性のある事件や犯人を題材として扱うミステリー(推理小説)の形式。

事件そのものや登場人物の内面や行動だけでなく、事件の背景となった社会的・時代的問題を綿密に描写していくのを特徴とします。

日本では1960年代ごろから、それまで主流だった「本格」に代わってミステリーの主流であり、1980年代の新本格の登場までその状態が続きました。

松本清張や高村薫がその代表と言えるでしょう。

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■倒叙ミステリー

 犯人が殺人事件を犯すシーンから始まり、犯行時の子細なミスから登場人物の刑事や探偵が犯人を追い詰めていくという形式のミステリーです。

刑事コロンボや古畑任三郎のスタイルだといった方が分り易いでしょうか。

犯人が追い詰められていく心理描写が特徴であり、最大の魅力。

また、犯罪者の内面に目を向けて、犯罪に至る過程を描いたものを、特に「犯罪心理ミステリー」といいます。

■メタミステリー

 推理小説(もしくは、小説という媒体自体)の形式や特徴・枠組みそのものにトリックがある形式のミステリー。

「読者が犯人」「著者が犯人」というパターンなどはこの形式に含まれます。

こうした、推理小説自体の形式・特徴・枠組みに対して否定したり、疑義を呈するような作品を、「アンチミステリー」ということもあります。

■青春ミステリー

 主人公やその周辺の登場人物に、思春期の人物を配したミステリーの形式。

物語の進行に伴って、多くの場合その人物が事件を通して成長を遂げる姿が描かれます。

中でも学校や学校生活を題材、もしくは、舞台にしたものを、特に「学園ミステリー」ということもあります。

■トラベルミステリー

 有名な観光地が舞台であったり、探偵役の登場人物が観光に関わったりする、もしくは、交通機関・交通手段によるトリックが使用されるミステリーの形式。

旅情や風土といった旅行記的側面も強くあり、映像化しやすいため映像作品も多く、日本では人気のミステリー・ジャンルです。

シリーズ化しやすいのも特徴で、西村京太郎の「十津川警部」シリーズや内田康夫の「浅見光彦」シリーズなど、息の長いシリーズが多いのも人気が高い理由かもしれません。

シリーズもの以外にも、松本清張の「点と線」をはじめ、名作がそろっています。

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■法廷ミステリー

 法廷ミステリーは、探偵役の登場人物が検事や弁護士であり、法廷が物語の重要な舞台となる形式のミステリー。

有罪と思われる被告の無実を証明して真犯人を暴いたり、無実と思われた被告の犯罪を立証したりなど、法廷での逆転劇が魅力のミステリーです。

E.S.ガードナーの「ペリー・メイスン」シリーズや、和久峻三の「赤かぶ検事」シリーズなどが有名。

■警察ミステリー

 警察ミステリーは、刑事が主人公のミステリーのことで、事件の謎解きより警察の捜査活動や警察組織内での暗闘の描写に重点が置かれることが多いです。

エド・マクベインの「87分署」シリーズ、日本では西村京太郎の「十津川警部」シリーズなどの作品が名が知られています。

日本人が比較的好きな分野で、小説でもテレビや映画でも結構名作が多く創作されました。

■歴史ミステリー

 歴史上の謎が、事件の重要な構造・構成にリンクしているか、あるいは、事件とよく似た構造になっており、それを探偵役の登場人物が解き明かすことで、登場人物たちが直面している事件も解決するという形式のミステリー。

ジョセフィン・ティの「時の娘」が代表と言えるが、日本でも高田崇史・高橋克彦・井沢元彦など多くの作家がこのジャンルを手がけています。

ちなみに、過去の時代を舞台とするミステリーは「時代ミステリー」と呼ばれることもあり、日本では特に江戸時代を舞台とした「名奉行もの」「捕り物帳もの」といった人気のシリーズもあります。

■ホラーミステリー

 ミステリーにホラーの要素が加わった形式のもの。

論理を超えた恐怖・不思議・異常性の様相と論理的な推理・捜査などのブレンドが魅力のミステリー。

綾辻行人や三津田信三などが代表と言えます。

三津田信三は「刀城言耶」シリーズの「水魑(みづち)の如き沈むもの」で、2010年の第10回本格ミステリ大賞(小説部門)を受賞しています。

■スパイミステリー

 スパイが主人公のミステリーで、謎解きをする探偵役も基本的にはスパイがしていきます。

物語の中で起こる事件に加えて、国際的謀略、荒唐無稽なアクションやスパイツール、スパイ同士が絡んだ知恵比べなどの要素が力点を置いて描かれます。

イアン・フレミングの「007ジェームズ・ボンド」シリーズが有名ですが、このジャンルはどちらかと言えば国内よりも海外に有名作品が多いです。

■サスペンスミステリー

 登場人物が、予期せぬ事件に巻き込まれて、その状況から逃れる為に事件に挑んでいき、隠された真相にたどり着くという形式のミステリー。

TVの2時間ドラマなどでお馴染みのスタイルと言えます。

そういう意味では、日本人にとって一番一般的なミステリーかもしれません。

西村京太郎や宮部みゆきなど、このジャンルで著名な書き手も数多いです。

ピンチに陥った登場人物が、知恵と行動と勇気で危ない状況を乗り越えていくのを、感情移入しながら味わえるのが一番の魅力。

■怪盗ミステリー・冒険ミステリー

 主人公が自ら事件を起こし、または、自ら事件に巻き込まれて、追っ手の追及を知識と知恵を駆使して乗り越えていき、さまざまな困難を切り抜けて真相にたどり着く形式のミステリー。

モーリス・ルブランの「アルセーヌ・ルパン」シリーズが代表で、TVの「ルパン三世」シリーズもこの範疇に入ります。

日本では江戸川乱歩の「怪人二十面相」が登場するシリーズが最も有名ですね。

敵役として名探偵や切れ者の好敵手が登場し、主人公と知恵比べを展開するのも、このジャンルのミステリーが持つ面白さです。

サスペンスが持つドキドキ感だけでなく、事件が終わった後の爽快感も魅力と言えます。

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■SFミステリー

 設定にSFの要素を加えたミステリーの形式。

作品の一部、または、全部に、非現実的とも言える状態や現象・能力・世界観などを設定として取り込んだもの。

SFの要素はさらに他のジャンルともつながり、「SF本格ミステリー」や「SFサスペンスミステリー」など、多彩な展開を見せるジャンル。名作も多数存在します。

■日常ミステリー

 犯罪や法に触れるような事件ではなく、日常の中でふと目にするような不思議や謎・ちょっとした事件を扱うミステリーの形式。

「人の死なないミステリー」ともいわれ、海外ではアガサ・クリスティの「ミス・マープル」シリーズやアイザック・アシモフの「黒後家蜘蛛の会」など多くの良作があります。

日本では、北村薫が多く作品を発表し、加納朋子や光原百合なども有名。

三上延の「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズなども多くのファンを獲得しており、人気が高いジャンル。

■ユーモアミステリー

 ユーモア調の強いミステリーの形式。笑いや可笑しさを交えて軽く読めるライトノベルズタイプのものが多いです。

泡坂妻夫の「亜愛一郎」シリーズや東川篤哉の「謎解きはディナーのあとで」シリーズなど、愛すべき作品も数多くあります。

ちなみに、現実性を意図的に無視したトリックと結末のバカバカしさが特徴のミステリー、あるいは、結末を知って「そんなバカな!」と驚くような、笑えるミステリーのことを、特に「バカミス」といったりします。

「バカミス」という言葉は1990年代後半から使われ出しましたが、侮辱する意味合いではなく、どちらかと言えば、作品世界の意外性や娯楽性を「バカな」という驚きと賞賛によって評価するものであると言えます。

また、読後の読了感がイヤな感じが残る、後味の悪いミステリーのことを「イヤミス」ということもあります。

■医療ミステリー

 医療ミステリーは、「医師または医療関係者」が「犯人もしくは主人公」のミステリーのことで、警察ミステリー同様、事件の謎解きよりも、医療行為や専門知識を利用したトリックや医療組織内での冷戦・暗闘がストーリー上重要な役割を果たしています。

海外では医療をテーマとしたミステリーが早くから作られ、近年では医療ミステリードラマ「Dr.HOUSE」や「BONES」が大ヒットするなど、医療ミステリーの質は高く、完全に市民権を得ています。

作家としてはロビン・クックなどが有名です。

日本でも、海堂尊の「チームバチスタの栄光」の大ヒットで、一般にもよく知られるようになりました。

海堂尊が最も有名ですが、他にも久坂部羊や仙川環、帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)などの作家が、医療ミステリー作家として知られています。

また、知念実希人の「天久鷹央の推理カルテ」シリーズなどの、今までの重い印象の残る医療ミステリーとはちょっと違ったライトな感じのものも出てきています。

この記事のまとめ

「ミステリー」は日本で独自の大発展を遂げ、あらゆるジャンルと結びついてすそ野を広げた

様式性が強かったミステリーは、ジャンルの幅を広げることでその閉塞感と停滞を乗り越えた

「本格ミステリー」「新本格ミステリー」などの「フーダニット」「ハウダニット」がその原点

「犯罪の社会的背景」「探偵の身分や環境」「事件の起こる場所」など様々な趣向のジャンルが生まれた

ミステリーという形式は他のジャンルと融合させやすいため、今後も新ジャンルがでてくるかも

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