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 芥川賞と並び称される文学賞に直木賞があります。

芥川賞が純文学が対象なのに対して、直木賞は大衆文学・エンターティメント文学が対象で、受賞作は『オール讀物』に掲載されます。

芥川賞と直木賞の歴代受賞作を比べると、直木賞受賞作の方が知っている作品が多いという人も多いのではないでしょうか。

直木賞は大衆小説がターゲットですから、大衆がどんなことを面白いと感じていたのかが、受賞作の変遷を追っていくと浮き彫りになってくるかもしれません。

それもまた、小説を読む楽しみの1つだと言えそうです。

さて今回の記事では、芥川賞と双璧をなす文学賞「直木賞」について、その概要と受賞作を見ていきましょう。

 直木三十五賞

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 直木三十五賞は、大衆小説に与えられる文学賞です。

文藝春秋の菊池寛が、友人の直木三十五の業績を記念して芥川賞とペアで創設した文学賞です。

当初は芥川賞同様に新人に与えられる賞でしたが、のちに中堅作家が主な対象へと変質していきました。

芥川賞同様1935年が第1回で、1945~48年の中断を経て、現在まで継続しています。

上半期・下半期の年2回の授与という点も、芥川賞と同じです。

芥川賞が注目されるにともなって直木賞も脚光を浴びるようになり、現在では芥川賞と共に文壇の登竜門的な意味を持つ文学賞となりました。

 <2010年代後半受賞作>

第157回(2017年上半期) – 佐藤正午『月の満ち欠け』
第156回(2016年下半期) – 恩田陸『蜜蜂と遠雷』
第155回(2016年上半期) – 荻原浩『海の見える理髪店』
第154回(2015年下半期) – 青山文平『つまをめとらば』
第153回(2015年上半期) – 東山彰良『流』

 <2010年代前半受賞作>

第152回(2014年下半期) – 西加奈子『サラバ!』
第151回(2014年上半期) – 黒川博行『破門』
第150回(2013年下半期) – 朝井まかて『恋歌』、姫野カオルコ『昭和の犬』
第149回(2013年上半期) – 桜木紫乃『ホテルローヤル』
第148回(2012年下半期) – 朝井リョウ『何者』、安部龍太郎『等伯』
第147回(2012年上半期) – 辻村深月『鍵のない夢を見る』
第146回(2011年下半期) – 葉室麟『蜩ノ記』
第145回(2011年上半期) – 池井戸潤『下町ロケット』
第144回(2010年下半期) – 木内昇『漂砂のうたう』、道尾秀介『月と蟹』
第143回(2010年上半期) – 中島京子『小さいおうち』

 <2000年代後半受賞作>

第142回(2009年下半期) – 佐々木譲『廃墟に乞う』、白石一文『ほかならぬ人へ』
第141回(2009年上半期) – 北村薫『鷺と雪』
第140回(2008年下半期) – 天童荒太『悼む人』、山本兼一『利休にたずねよ』
第139回(2008年上半期) – 井上荒野『切羽へ』
第138回(2007年下半期) – 桜庭一樹『私の男』
第137回(2007年上半期) – 松井今朝子『吉原手引草』
第136回(2006年下半期) – 該当なし
第135回(2006年上半期) – 三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』、
              森絵都『風に舞いあがるビニールシート』
第134回(2005年下半期) – 東野圭吾『容疑者Xの献身』
第133回(2005年上半期) – 朱川湊人『花まんま』

 <2000年代前半受賞作>

第132回(2004年下半期) – 角田光代『対岸の彼女』
第131回(2004年上半期) – 奥田英朗『空中ブランコ』、熊谷達也『邂逅の森』
第130回(2003年下半期) – 江國香織『号泣する準備はできていた』、
              京極夏彦『後巷説百物語』
第129回(2003年上半期) – 石田衣良『4TEEN フォーティーン』、村山由佳『星々の舟』
第128回(2002年下半期) – 該当なし
第127回(2002年上半期) – 乙川優三郎『生きる』
第126回(2001年下半期) – 山本一力『あかね空』、唯川恵『肩ごしの恋人』
第125回(2001年上半期) – 藤田宜永『愛の領分』
第124回(2000年下半期) – 山本文緒『プラナリア』、重松清『ビタミンF』
第123回(2000年上半期) – 船戸与一『虹の谷の五月』、金城一紀『GO』

 <1990年代後半受賞作>

第122回(1999年下半期) – なかにし礼『長崎ぶらぶら節』
第121回(1999年上半期) – 佐藤賢一『王妃の離婚』、桐野夏生『柔らかな頬』
第120回(1998年下半期) – 宮部みゆき『理由』
第119回(1998年上半期) – 車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』
第118回(1997年下半期) – 該当なし
第117回(1997年上半期) – 篠田節子『女たちのジハード』、
              浅田次郎『鉄道員(ぽっぽや)』
第116回(1996年下半期) – 坂東眞砂子『山妣』
第115回(1996年上半期) – 乃南アサ『凍える牙』

 <1990年代前半受賞作>

第114回(1995年下半期) – 小池真理子『恋』、藤原伊織『テロリストのパラソル』
第113回(1995年上半期) – 赤瀬川隼『白球残映』
第112回(1994年下半期) – 該当なし
第111回(1994年上半期) – 中村彰彦『二つの山河』、海老沢泰久『帰郷』
第110回(1993年下半期) – 佐藤雅美『恵比寿屋喜兵衛手控え』、
              大沢在昌『新宿鮫 無間人形』
第109回(1993年上半期) – 高村薫『マークスの山』、北原亞以子『恋忘れ草』
第108回(1992年下半期) – 出久根達郎『佃島ふたり書房』
第107回(1992年上半期) – 伊集院静『受け月』
第106回(1991年下半期) – 高橋義夫『狼奉行』、高橋克彦『緋い記憶』
第105回(1991年上半期) – 宮城谷昌光『夏姫春秋』、芦原すなお『青春デンデケデケデケ』
第104回(1990年下半期) – 古川薫『漂泊者のアリア』
第103回(1990年上半期) – 泡坂妻夫『蔭桔梗』

 <1980年代後半受賞作>

第102回(1989年下半期) – 星川清司『小伝抄』、原尞『私が殺した少女』
第101回(1989年上半期) – ねじめ正一『高円寺純情商店街』、
              笹倉明『遠い国からの殺人者』
第100回(1988年下半期) – 杉本章子『東京新大橋雨中図』、藤堂志津子『熟れてゆく夏』
第99回(1988年上半期) – 西木正明『凍れる瞳』『端島の女』、
             景山民夫『遠い海から来たCOO』
第98回(1987年下半期) – 阿部牧郎『それぞれの終楽章』
第97回(1987年上半期) – 白石一郎『海狼伝』、
             山田詠美『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』
第96回(1986年下半期) – 逢坂剛『カディスの赤い星』、常盤新平『遠いアメリカ』
第95回(1986年上半期) – 皆川博子『恋紅』
第94回(1985年下半期) – 森田誠吾『魚河岸ものがたり』、
             林真理子『最終便に間に合えば』『京都まで』
第93回(1985年上半期) – 山口洋子『演歌の虫』『老梅』

 <1980年代前半受賞作>

第92回(1984年下半期) – 該当なし
第91回(1984年上半期) – 連城三紀彦『恋文』、難波利三『てんのじ村』
第90回(1983年下半期) – 神吉拓郎『私生活』、高橋治『秘伝』
第89回(1983年上半期) – 胡桃沢耕史『黒パン俘虜記』
第88回(1982年下半期) – 該当なし
第87回(1982年上半期) – 深田祐介『炎熱商人』、村松友視『時代屋の女房』
第86回(1981年下半期) – つかこうへい『蒲田行進曲』、光岡明『機雷』
第85回(1981年上半期) – 青島幸男『人間万事塞翁が丙午』
第84回(1980年下半期) – 中村正軌『元首の謀叛』
第83回(1980年上半期) – 向田邦子『花の名前』『かわうそ』『犬小屋』、
             志茂田景樹『黄色い牙』

 <1970年代後半受賞作>

第82回(1979年下半期) – 該当なし
第81回(1979年上半期) – 田中小実昌『浪曲師朝日丸の話』『ミミのこと』、
             阿刀田高『ナポレオン狂』
第80回(1978年下半期) – 宮尾登美子『一絃の琴』、有明夏夫『大浪花諸人往来』
第79回(1978年上半期) – 津本陽『深重の海』、色川武大『離婚』
第78回(1977年下半期) – 該当なし
第77回(1977年上半期) – 該当なし
第76回(1976年下半期) – 三好京三『子育てごっこ』
第75回(1976年上半期) – 該当なし
第74回(1975年下半期) – 佐木隆三『復讐するは我にあり』
第73回(1975年上半期) – 該当なし

 <1970年代前半受賞作>

第72回(1974年下半期) – 半村良『雨やどり』、井出孫六『アトラス伝説』
第71回(1974年上半期) – 藤本義一『鬼の詩』
第70回(1973年下半期) – 該当なし
第69回(1973年上半期) – 長部日出雄『津軽世去れ節』『津軽じょんから節』、
             藤沢周平『暗殺の年輪』
第68回(1972年下半期) – 該当なし
第67回(1972年上半期) – 綱淵謙錠『斬』、井上ひさし『手鎖心中』
第66回(1971年下半期) – 該当なし
第65回(1971年上半期) – 該当なし
第64回(1970年下半期) – 豊田穣『長良川』
第63回(1970年上半期) – 結城昌治『軍旗はためく下に』、渡辺淳一『光と影』

 <1960年代後半受賞作>

第62回(1969年下半期) – 該当なし
第61回(1969年上半期) – 佐藤愛子『戦いすんで日が暮れて』
第60回(1968年下半期) – 陳舜臣『青玉獅子香炉』、早乙女貢『僑人の檻』
第59回(1968年上半期) – 該当なし
第58回(1967年下半期) – 野坂昭如『アメリカひじき』『火垂るの墓』、三好徹『聖少女』
第57回(1967年上半期) – 生島治郎『追いつめる』
第56回(1966年下半期) – 五木寛之『蒼ざめた馬を見よ』
第55回(1966年上半期) – 立原正秋『白い罌粟』
第54回(1965年下半期) – 新橋遊吉『八百長』、千葉治平『虜愁記』
第53回(1965年上半期) – 藤井重夫『虹』

 <1960年代前半受賞作>

第52回(1964年下半期) – 永井路子『炎環』、安西篤子『張少子の話』
第51回(1964年上半期) – 該当なし
第50回(1963年下半期) – 安藤鶴夫『巷談本牧亭』、和田芳恵『塵の中』
第49回(1963年上半期) – 佐藤得二『女のいくさ』
第48回(1962年下半期) – 山口瞳『江分利満氏の優雅な生活』、杉本苑子『孤愁の岸』
第47回(1962年上半期) – 杉森久英『天才と狂人の間』
第46回(1961年下半期) – 伊藤桂一『螢の河』
第45回(1961年上半期) – 水上勉『雁の寺』
第44回(1960年下半期) – 寺内大吉『はぐれ念仏』、黒岩重吾『背徳のメス』
第43回(1960年上半期) – 池波正太郎『錯乱』

 <1950年代後半受賞作>

第42回(1959年下半期) – 司馬遼太郎『梟の城』、戸板康二『團十郎切腹事件』他
第41回(1959年上半期) – 渡辺喜恵子『馬淵川』、平岩弓枝『鏨師』
第40回(1958年下半期) – 城山三郎『総会屋錦城』、多岐川恭『落ちる』
第39回(1958年上半期) – 山崎豊子『花のれん』、榛葉英治『赤い雪』
第38回(1957年下半期) – 該当なし
第37回(1957年上半期) – 江崎誠致『ルソンの谷間』
第36回(1956年下半期) – 今東光『お吟さま』、穂積驚『勝烏』
第35回(1956年上半期) – 南條範夫『燈台鬼』、今官一『壁の花』
第34回(1955年下半期) – 新田次郎『強力伝』、邱永漢『香港』
第33回(1955年上半期) – 該当なし

 <1950年代後半受賞作>

第32回(1954年下半期) – 梅崎春生『ボロ家の春秋』、戸川幸夫『高安犬物語』
第31回(1954年上半期) – 有馬頼義『終身未決囚』
第30回(1953年下半期) – 該当なし
第29回(1953年上半期) – 該当なし
第28回(1952年下半期) – 立野信之『叛乱』
第27回(1952年上半期) – 藤原審爾『罪な女』他
第26回(1951年下半期) – 久生十蘭『鈴木主水』、柴田錬三郎『イエスの裔』
第25回(1951年上半期) – 源氏鶏太『英語屋さん』『颱風さん』『御苦労さん』
第24回(1950年下半期) – 檀一雄『長恨歌』『真説石川五右衛門』
第23回(1950年上半期) – 今日出海『天皇の帽子』、小山いと子『執行猶予』

 <1940年代後半受賞作>

第22回(1949年下半期) – 山田克郎『海の廃園』
第21回(1949年上半期) – 富田常雄『面』『刺青』他

(第二次世界大戦のため中断)

 <1940年代前半受賞作>

第20回(1944年下半期) – 該当なし
第19回(1944年上半期) – 岡田誠三『ニューギニヤ山岳戦』
第18回(1943年下半期) – 森荘已池『山畠』『蛾と笹舟』
第17回(1943年上半期) – 山本周五郎『日本婦道記』(受賞辞退)
第16回(1942年下半期) – 田岡典夫『強情いちご』他、神崎武雄『寛容』他
第15回(1942年上半期) – 該当なし
第14回(1941年下半期) – 該当なし
第13回(1941年上半期) – 木村荘十『雲南守備兵』
第12回(1940年下半期) – 村上元三『上総風土記』他
第11回(1940年上半期) – 堤千代『小指』他、河内仙介『軍事郵便』

 <1930年代後半受賞作>

第10回(1939年下半期) – 該当なし
第9回(1939年上半期) – 該当なし
第8回(1938年下半期) – 大池唯雄『兜首』『秋田口の兄弟』
第7回(1938年上半期) – 橘外男『ナリン殿下への回想』
第6回(1937年下半期) – 井伏鱒二『ジョン萬次郎漂流記』他
第5回(1937年上半期) – 該当なし
第4回(1936年下半期) – 木々高太郎『人生の阿呆』他
第3回(1936年上半期) – 海音寺潮五郎『天正女合戦』『武道傳來記』
第2回(1935年下半期) – 鷲尾雨工『吉野朝太平記』他
第1回(1935年上半期) – 川口松太郎『鶴八鶴次郎』『風流深川唄』『明治一代女』

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