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 ピースの又吉が、処女作「火花」で芥川賞を受賞したのが昨日のことのようですね。

「3万部売れればベストセラー」とも言われる今日では驚異的な販売部数だそうで、単行本のみの2015年12月までの集計では240万部だったそうです。

もちろん、これは芥川賞受賞作としては歴代1位です。

手に入る印税は出版界の通例として、書籍の印税は「定価と部数を掛けたものの10%」がもっとも一般的とされています。

ドラマ化、映画化となるとさらに金額が膨らむことになりますので、そのあたりはちょっと気になりますね。

もっとも、又吉の場合は吉本興業を経由して印税が払われたそうなので、半分ほどは中抜きされてしまったとも言われています。

新しい芥川賞受賞作も発表され、どんどん派手になっていく芥川賞ですが、注目度が高いだけでなく、文学性の中に強く時代性を閉じ込めた文章は、作品が書かれた時代的背景をあわせて読み解いていくとさまざまに気付かされることがありそうです。

今回はそんな芥川賞とその受賞作について概要を見ていきましょう。

 芥川龍之介賞

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 芥川龍之介賞は純文学の新人に与えられる文学賞です。

文藝春秋が主催しており、当時の社長であった菊池寛によって、友人の芥川龍之介の業績を顕彰するため創設されました。

第1回は1935年であり、1945~48年まで中断された以外はずっと賞は継続しています。

上半期・下半期の年2回、賞の授与があります。

創設当初は菊池寛が狙ったほどには注目されず、話題を集めるようなことはありませんでした。

その風向きが変わるのは1955年下半期受賞の石原慎太郎「太陽の季節」からであり、以後は現在に至るまでメディアに大きく取り上げられる文学賞となりました。

 <2010年代後半受賞作>

第156回(2016年下半期) – 山下澄人「しんせかい」
第155回(2016年上半期) – 村田沙耶香「コンビニ人間」
第154回(2015年下半期) – 滝口悠生「死んでいない者」、本谷有希子「異類婚姻譚」
第153回(2015年上半期) – 羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」、又吉直樹「火花」

 <2010年代前半受賞作>

第152回(2014年下半期) – 小野正嗣「九年前の祈り」
第151回(2014年上半期) – 柴崎友香「春の庭」
第150回(2013年下半期) – 小山田浩子「穴」
第149回(2013年上半期) – 藤野可織「爪と目」
第148回(2012年下半期) – 黒田夏子「abさんご」
第147回(2012年上半期) – 鹿島田真希「冥土めぐり」
第146回(2011年下半期) – 円城塔「道化師の蝶」、田中慎弥「共喰い」
第145回(2011年上半期) – 該当なし
第144回(2010年下半期) – 朝吹真理子「きことわ」、西村賢太「苦役列車」
第143回(2010年上半期) – 赤染晶子「乙女の密告」

 <2000年代後半受賞作>

第142回(2009年下半期) – 該当なし
第141回(2009年上半期) – 磯崎憲一郎「終の住処」
第140回(2008年下半期) – 津村記久子「ポトスライムの舟」
第139回(2008年上半期) – 楊逸「時が滲む朝」
第138回(2007年下半期) – 川上未映子「乳と卵」
第137回(2007年上半期) – 諏訪哲史「アサッテの人」
第136回(2006年下半期) – 青山七恵「ひとり日和」
第135回(2006年上半期) – 伊藤たかみ「八月の路上に捨てる」
第134回(2005年下半期) – 絲山秋子「沖で待つ」
第133回(2005年上半期) – 中村文則「土の中の子供」

 <2000年代前半受賞作>

第132回(2004年下半期) – 阿部和重「グランド・フィナーレ」
第131回(2004年上半期) – モブ・ノリオ「介護入門」
第130回(2003年下半期) – 金原ひとみ「蛇にピアス」、綿矢りさ「蹴りたい背中」
第129回(2003年上半期) – 吉村萬壱「ハリガネムシ」
第128回(2002年下半期) – 大道珠貴「しょっぱいドライブ」
第127回(2002年上半期) – 吉田修一「パーク・ライフ」
第126回(2001年下半期) – 長嶋有「猛スピードで母は」
第125回(2001年上半期) – 玄侑宗久「中陰の花」
第124回(2000年下半期) – 青来有一「聖水」、堀江敏幸「熊の敷石」
第123回(2000年上半期) – 町田康「きれぎれ」、松浦寿輝「花腐し」

 <1990年代後半受賞作>

第122回(1999年下半期) – 玄月「蔭の棲みか」、藤野千夜「夏の約束」
第121回(1999年上半期) – 該当なし
第120回(1998年下半期) – 平野啓一郎「日蝕」
第119回(1998年上半期) – 花村萬月「ゲルマニウムの夜」、
              藤沢周「ブエノスアイレス午前零時」
第118回(1997年下半期) – 該当なし
第117回(1997年上半期) – 目取真俊「水滴」
第116回(1996年下半期) – 辻仁成「海峡の光」、柳美里「家族シネマ」
第115回(1996年上半期) – 川上弘美「蛇を踏む」
第114回(1995年下半期) – 又吉栄喜「豚の報い」
第113回(1995年上半期) – 保坂和志「この人の閾」

 <1990年代前半受賞作>

第112回(1994年下半期) – 該当なし
第111回(1994年上半期) – 室井光広「おどるでく」、
              笙野頼子「タイムスリップ・コンビナート」
第110回(1993年下半期) – 奥泉光「石の来歴」
第109回(1993年上半期) – 吉目木晴彦「寂寥郊野」
第108回(1992年下半期) – 多和田葉子「犬婿入り」
第107回(1992年上半期) – 藤原智美「運転士」
第106回(1991年下半期) – 松村栄子「至高聖所アバトーン」
第105回(1991年上半期) – 辺見庸「自動起床装置」、荻野アンナ「背負い水」
第104回(1990年下半期) – 小川洋子「妊娠カレンダー」
第103回(1990年上半期) – 辻原登「村の名前」

 <1980年代後半受賞作>

第102回(1989年下半期) – 大岡玲「表層生活」、瀧澤美恵子「ネコババのいる町で」
第101回(1989年上半期) – 該当なし
第100回(1988年下半期) – 南木佳士「ダイヤモンドダスト」、李良枝「由煕」
第99回(1988年上半期) – 新井満 「尋ね人の時間」
第98回(1987年下半期) – 池澤夏樹「スティル・ライフ」、三浦清宏「長男の出家」
第97回(1987年上半期) – 村田喜代子「鍋の中」
第96回(1986年下半期) – 該当なし
第95回(1986年上半期) – 該当なし
第94回(1985年下半期) – 米谷ふみ子「過越しの祭」
第93回(1985年上半期) – 該当なし

 <1980年代前半受賞作>

第92回(1984年下半期) – 木崎さと子「青桐」
第91回(1984年上半期) – 該当なし
第90回(1983年下半期) – 笠原淳「杢二の世界」、高樹のぶ子「光抱く友よ」
第89回(1983年上半期) – 該当なし
第88回(1982年下半期) – 加藤幸子 「夢の壁」、唐十郎「佐川君からの手紙」
第87回(1982年上半期) – 該当なし
第86回(1981年下半期) – 該当なし
第85回(1981年上半期) – 吉行理恵「小さな貴婦人」
第84回(1980年下半期) – 尾辻克彦「父が消えた」
第83回(1980年上半期) – 該当なし

 <1970年代後半受賞作>

第82回(1979年下半期) – 森禮子「モッキングバードのいる町」
第81回(1979年上半期) – 重兼芳子「やまあいの煙」、青野聰「愚者の夜」
第80回(1978年下半期) – 該当なし
第79回(1978年上半期) – 高橋揆一郎「伸予」、高橋三千綱「九月の空」
第78回(1977年下半期) – 宮本輝「螢川」、高城修三 「榧の木祭り」
第77回(1977年上半期) – 三田誠広「僕って何」、池田満寿夫「エーゲ海に捧ぐ」
第76回(1976年下半期) – 該当なし
第75回(1976年上半期) – 村上龍「限りなく透明に近いブルー」
第74回(1975年下半期) – 中上健次「岬」、岡松和夫「志賀島」
第73回(1975年上半期) – 林京子「祭りの場」

 <1970年代前半受賞作>

第72回(1974年下半期) – 日野啓三「あの夕陽」、阪田寛夫「土の器」
第71回(1974年上半期) – 該当なし
第70回(1973年下半期) – 野呂邦暢「草のつるぎ」、森敦「月山」
第69回(1973年上半期) – 三木卓「鶸」
第68回(1972年下半期) – 山本道子 「ベティさんの庭」、郷静子「れくいえむ」
第67回(1972年上半期) – 畑山博「いつか汽笛を鳴らして」、宮原昭夫「誰かが触った」
第66回(1971年下半期) – 李恢成「砧をうつ女」、東峰夫「オキナワの少年」
第65回(1971年上半期) – 該当なし
第64回(1970年下半期) – 古井由吉「杳子」
第63回(1970年上半期) – 吉田知子「無明長夜」、古山高麗雄「プレオー8の夜明け」

 <1960年代後半受賞作>

第62回(1969年下半期) – 清岡卓行「アカシヤの大連」
第61回(1969年上半期) – 庄司薫「赤頭巾ちゃん気をつけて」、田久保英夫「深い河」
第60回(1968年下半期) – 該当なし
第59回(1968年上半期) – 丸谷才一「年の残り」、大庭みな子「三匹の蟹」
第58回(1967年下半期) – 柏原兵三「徳山道助の帰郷」
第57回(1967年上半期) – 大城立裕「カクテル・パーティー」
第56回(1966年下半期) – 丸山健二「夏の流れ」
第55回(1966年上半期) – 該当なし
第54回(1965年下半期) – 高井有一「北の河」
第53回(1965年上半期) – 津村節子「玩具」

 <1960年代前半受賞作>

第52回(1964年下半期) – 該当なし
第51回(1964年上半期) – 柴田翔「されどわれらが日々──」
第50回(1963年下半期) – 田辺聖子「感傷旅行 センチメンタル・ジャーニィ」
第49回(1963年上半期) – 後藤紀一「少年の橋」、河野多惠子「蟹」
第48回(1962年下半期) – 該当なし
第47回(1962年上半期) – 川村晃「美談の出発」
第46回(1961年下半期) – 宇能鴻一郎「鯨神」
第45回(1961年上半期) – 該当なし
第44回(1960年下半期) – 三浦哲郎「忍ぶ川」
第43回(1960年上半期) – 北杜夫「夜と霧の隅で」

 <1950年代後半受賞作>

第42回(1959年下半期) – 該当なし
第41回(1959年上半期) – 斯波四郎「山塔」
第40回(1958年下半期) – 該当なし
第39回(1958年上半期) – 大江健三郎「飼育」
第38回(1957年下半期) – 開高健「裸の王様」
第37回(1957年上半期) – 菊村到「硫黄島」
第36回(1956年下半期) – 該当なし
第35回(1956年上半期) – 近藤啓太郎「海人舟」
第34回(1955年下半期) – 石原慎太郎「太陽の季節」
第33回(1955年上半期) – 遠藤周作「白い人」

 <1950年代前半受賞作>

第32回(1954年下半期) – 小島信夫「アメリカン・スクール」、
             庄野潤三「プールサイド小景」
第31回(1954年上半期) – 吉行淳之介「驟雨」その他
第30回(1953年下半期) – 該当なし
第29回(1953年上半期) – 安岡章太郎「悪い仲間・陰気な愉しみ」
第28回(1952年下半期) – 五味康祐「喪神」、松本清張「或る『小倉日記』伝」
第27回(1952年上半期) – 該当なし
第26回(1951年下半期) – 堀田善衛「広場の孤独」「漢奸」その他
第25回(1951年上半期) – 安部公房「壁 S・カルマ氏の犯罪」、石川利光「春の草」他
第24回(1950年下半期) – 該当なし
第23回(1950年上半期) – 辻亮一「異邦人」

 <1940年代後半受賞作>

第22回(1949年下半期) – 井上靖「闘牛」
第21回(1949年上半期) – 由起しげ子「本の話」、小谷剛「確証」

(第二次世界大戦のため中断)

 <1940年代前半受賞作>

第20回(1944年下半期) – 清水基吉「雁立」
第19回(1944年上半期) – 八木義徳「劉廣福」、小尾十三「登攀」
第18回(1943年下半期) – 東野邊薫「和紙」
第17回(1943年上半期) – 石塚喜久三「纏足の頃」
第16回(1942年下半期) – 倉光俊夫「連絡員」
第15回(1942年上半期) – 該当なし
第14回(1941年下半期) – 芝木好子「青果の市」
第13回(1941年上半期) – 多田裕計「長江デルタ」
第12回(1940年下半期) – 櫻田常久「平賀源内」
第11回(1940年上半期) – 高木卓「歌と門の盾」(受賞辞退)

 <1930年代後半受賞作>

第10回(1939年下半期) – 寒川光太郎「密獵者」
第9回(1939年上半期) – 半田義之「鶏騒動」、長谷健「あさくさの子供」
第8回(1938年下半期) – 中里恒子「乗合馬車」他
第7回(1938年上半期) – 中山義秀「厚物咲」
第6回(1937年下半期) – 火野葦平「糞尿譚」
第5回(1937年上半期) – 尾崎一雄「暢気眼鏡」他
第4回(1936年下半期) – 石川淳「普賢」、冨澤有爲男「地中海」
第3回(1936年上半期) – 小田嶽夫「城外」、鶴田知也「コシャマイン記」
第2回(1935年下半期) – 該当なし(二・二六事件が勃発したため審査中止)
第1回(1935年上半期) – 石川達三「蒼氓」

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